ITパスポートの出題範囲は「シラバス」に書いてある
ITパスポート試験はIPA(情報処理推進機構)が実施する試験で、試験範囲はIPAの「シラバス」で厳密に規定されています。
シラバスは、以下のウェブサイトで公開されており、誰でも確認することができます。
シラバスを細かく読み込む必要はない
ITパスポート試験を受験するにあたり、IPAのシラバスを読み込む必要はありません。
シラバスの内容は非常に細かく、すべてを理解することは到底不可能ですし、そんなことをしなくても十分に合格できるからです。
一般的な書店で売られている参考書や問題集に従って、その内容通りに勉強を進めていけば十分です。
本サイト「まなバリック」でも、ITパスポート試験対策講座を提供していきますので、是非ご活用いただければ幸いです。
「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の3分野がある
ITパスポート試験の出題範囲は大きく以下の3つの分野に区分されます。
- ストラテジ系
- マネジメント系
- テクノロジ系
受験生の多くが「ITパスポート試験で出題されるだろう」と想像している問題のほとんどは、テクノロジ系であることが多いです。しかしながら、実際にはストラテジ系とマネジメント系の問題がかなりの割合で出題されますし、これらをしっかりと得点しなければ合格はできません。
ストラテジ系
ざっくりいうと、「(IT企業に限らず)一般的に経営層が考えていそうなこと」に関する分野です。
例えば、
- 損益分岐点
- SWOT分析
- イノベーションのジレンマ
- SDGs
- ダイレクトマーケティング
といったキーワードに関する問題が出題されます。
これらは、大学の商学部や経営学部、MBA、経営コンサルティングファームで学ぶ内容が多く含まれています。逆に、理系の学生などはあまり勉強したことがない分野ですので、ITの知識があるからといって適当な対策で挑むと、このストラテジ系に足元をすくわれる可能性があります。
マネジメント系
ざっくりいうと、「IT企業の管理職(プロジェクトマネージャーなど)が考えていそうなこと」に関する分野です。
例えば、
- RFP
- ホワイトボックステスト
- アジャイル開発
- PMBOK
- アローダイアグラム
といったキーワードに関する問題が出題されます。
ITシステム開発業務に携わらない限り、勉強する機会がなかなか無い分野になります。苦手意識をもつ受験生も多いですが、やはりしっかりと得点していく必要があります。
テクノロジ系
IT技術に関する問題であり、ITパスポート試験の中心となる分野です。
ハードウェアからソフトウェアまで幅広く出題されますが、近年はセキュリティに関する問題の出題割合が増加しています。
ITパスポート試験の出題範囲の全体像
シラバスの分類や項目が全体像をつかむのに役立つ
シラバスでは、3分野を更に細かく階層構造で分解しており、分野>大分類>中分類>項目の順で細かくなっていきます。
分類や項目の一覧を見てみることで、ITパスポート試験の出題範囲の全体像をつかむことができます。
具体例を見てみましょう。例えば、ストラテジ系には3つの大分類が存在し、大分類の1つめが「企業と法務」となっています。「企業と法務」には2つの中分類が存在し、中分類の1つめが「企業活動」となっています。「企業活動」には3つの項目が存在し、項目の1つめが「経営・組織論」となっています。
まあ、「経営・組織論が出題されますよ~」と言われたところで具体的にどんな問題が出るのかは理解できないところではありますが、「ITパスポート試験に合格するためにどんな分野まで勉強する必要があるか」について、なんとなくのイメージがつかめると思います。
各分野の分類と項目
ストラテジ系の大分類、中分類、項目
- 企業と法務
- 企業活動
- 経営・組織論
- 業務分析・データ利活用
- 会計・財務
- 法務
- 知的財産権
- セキュリティ関連法規
- 労働関連・取引関連法規
- その他の法律・ガイドライン・情報倫理
- 標準化関連
- 企業活動
- 経営戦略
- 経営戦略マネジメント
- 経営戦略手法
- マーケティング
- ビジネス戦略と目標・評価
- 経営管理システム
- 技術戦略マネジメント
- 技術開発戦略の立案・技術開発計画
- ビジネスインダストリ
- ビジネスシステム
- エンジニアリングシステム
- e-ビジネス
- IoTシステム・組込みシステム
- 経営戦略マネジメント
- システム戦略
- システム戦略
- 情報システム戦略
- 業務プロセス
- ソリューションビジネス
- システム活用促進・評価
- システム企画
- システム化計画
- 要件定義
- 調達計画・実施
- システム戦略
マネジメント系の大分類、中分類、項目
- 開発技術
- システム開発技術
- システム開発技術
- ソフトウェア開発管理技術
- 開発プロセス・手法
- システム開発技術
- プロジェクトマネジメント
- プロジェクトマネジメント
- プロジェクトマネジメント
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
- サービスマネジメント
- サービスマネジメント
- サービスマネジメントシステム
- ファシリティマネジメント
- システム監査
- システム監査
- 内部統制
- サービスマネジメント
テクノロジ系の大分類、中分類、項目
- 基礎理論
- 基礎理論
- 離散数学
- 応用数学
- 情報に関する理論
- アルゴリズムとプログラミング
- データ構造
- アルゴリズムとプログラミング
- プログラム言語
- その他の言語
- 基礎理論
- コンピュータシステム
- コンピュータ構成要素
- プロセッサ
- メモリ
- 入出力デバイス
- システム構成要素
- システムの構成
- システムの評価指標
- ソフトウェア
- オペレーティングシステム
- ファイルシステム
- オフィスツール
- オープンソースソフトウェア
- ハードウェア
- ハードウェア(コンピュータ・入出力装置)
- コンピュータ構成要素
- 技術要素
- 情報デザイン
- 情報デザイン
- インターフェース設計
- 情報メディア
- マルチメディア技術
- マルチメディア応用
- データベース
- データベース方式
- データベース設計
- データ操作
- トランザクション処理
- ネットワーク
- ネットワーク方式
- 通信プロトコル
- ネットワーク応用
- セキュリティ
- 情報セキュリティ
- 情報セキュリティ管理
- 情報セキュリティ対策・情報セキュリティ実装技術
- 情報デザイン
シラバス6.0の改訂と使用すべき教材
2024年からシラバス6.2に移行する
シラバスは、令和4年から「シラバス6.0」がスタートし、大きめのアップデートが発生しました。
その後、
- 2023年11月からシラバス6.1に改訂
- 2024年4月からシラバス6.2に改訂
と、改訂が続きますが、基本的にシラバス6.0対応の勉強をしていれば問題なく合格は可能です。
教材のシラバス6.0対応は必須
一方で、シラバス6.0に対応する古い教材の使用はおすすめできません。
ITパスポート試験に限らず、資格試験合格の秘訣の1つは、「最新の教材を買う」ということですから、合格のためにはお金をケチらずにしっかりと最新の教材を用意してください。
資格試験合格のコツは以下の記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。
シラバスへのリンク(IPAのPDFにとびます)
シラバス6.2(2024年4月から)
https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/t6hhco000000p2y8-att/syllabus_ip_ver6_2.pdf
シラバス6.1(2023年11月から2024年3月まで)
https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/t6hhco000000iji5-att/syllabus_ip_ver6_1.pdf
シラバス6.0(2023年10月まで)
https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/ps6vr7000000i9bs-att/syllabus_ip_ver6_0.pdf